大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和33(オ)184 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人弁護士岡村正善の上告理由について。

表見代理の場合、まず以て基本代理権の何であるかが確定されていなければなら

ないことは所論のとおりである(所論判例は必ずしも本件に適切のものとは認めら

れない。)。

しかし、原判決は亡Dと上告人Aとは昭和二八年以来夫婦として同棲し右DはA

からその家事に関し相当広範囲の代理権を授与されていた事実をも認定の上判示保

証契約の締結は、その代理権を踰越したものであると判示しているのであり、所論

にいわゆる基本代理権の何であるかは一応確定されているものと認められるから、

原判決には所論の違法ありというを得ない(上告人Aが所論会社の代表取締役であ

つたことはこの場合問題とするに足りない。この点に関する原判示はあらずもがな

の無用の説示と解する相当とする。)。そして、右の如く基本代理権が認定された

以上は、前示保証契約が上告人Aの家事に関すると否とに拘らず、同人において保

証契約上の責を免れないのは勿論、右保征の金額が六五万円の大金であるからとい

つて、本件踰越代理が不適法に帰するものとも断定し難い。従つて原判決には所論

審理不尽の違法ありというを得ないばかりでなく、右Dが右踰越代理の結果上告人

Aの財産権を不法に侵害したものとも、認められないから所論違憲の主張はその前

提を欠き採るを得ない。なお、所論は民法七六一条を云為するが、旧民法の該当法

条はともあれ、右七六一条は妻の代理権に関するものではないから所論は首肯でき

ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

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主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 高 木 常 七

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